歳時記
私と俳句との出会いは、4、5年前だったと思いますが知り合いの方から句会に来ない?
と誘われたのがきっかけでした。俳句といっても学校の国語の時間に習った
「五・七・五」という位の 知識しかありませんでした。でも何となく毎月句会に通ううちに
だんだんと俳句の魅力に引き付けられるようになっていきました。
当時私は義父の介護の真最中でストレスも溜り眠れない日も多かったのですが、
俳句を考えている時だけが日常を忘れられる時間となっていったのです。
ところで俳句には「五・七・五」の他にもお約束があり、
それは必ず季題(季語)を入れなさいというものです。 春・夏・秋・冬
季節に応じた季語を入れるのですが、「そんなん分からへん!」という人も大丈夫。
「俳句歳時記」という本があるのです。
私のは角川書店編の歳時記ですが国語辞典位の分厚さです。
その歳時記を初めて開いて驚きました!何と美しい日本語の数々・・
時候や天文。生活、自然、行事などが季節ごとに紹介されているのですが、
文章や言葉を扱う職業にも就いてきてボキャブラリーには多少の自信があった私ですが、
そんなささやかな自負心は見事に打ち砕かれました。
虎落笛(冬) 何て読むか分かります? (もがりぶえ)と読むそうです。
意味は木枯らしなどが柵や竹垣に吹きつけて発する笛のような音とあります。
私はつい演歌の越冬つばめを思い出してしまいました。
山笑ふ(春) 山粧ふ(秋) 山眠る(冬)
季節の移り変わりの中で刻々と変化する山の様子ですね。
太宰忌(夏)や芭蕉忌(冬)など命日までも採用されています。
古臭い言葉ばかりでなく、サングラス(夏)ナイター(夏)クリスマス(冬)など
私達の生活のシーンの一コマも季語として採用されています。
言葉は生き物です。人の口にのぼってこそ初めて生き生きとし出しますが、
昔私達が使っていた美しい言い回しや言葉達も忘れないでいて欲しいと、
歳時記は教えてくれているように思います。
波濤越へ 我呼ぶ声か 虎落笛
純 子